2026 GRAND PRIZE / JGA TECHNOLOGY AWARD

かんたんアースの開発

大阪ガスネットワーク株式会社、フジテコム株式会社

道路に置くだけで、打設アース以上の効果。

パイプロケーターによるガス管の位置調査ではアース棒を打設するが、開発した「かんたんアース」は、導電性繊維からなる不織布シートであり、裏面に「かんたんアース」を縫い付けたパイプロケーターの収納ケースを地上に置くだけで、打設アース以上のアース効果が得られる技術である。

かんたんアースはシート状であるためシート単体での使用は、風などでめくれるなどアース効果に影響を及ぼすと共に、現場で路上にシートを置いた際、忘れものと思われるなどの問題点があった。

そこで、パイプロケーターの収納ケースに縫い付けることで、設置の確実性と携帯性を確保した。さらに、ケースの表面に「管路探査中」を記載することでガス管位置調査を実施していることを周知できる構造とした。

2014年のJGA技術賞受賞後、製品として広く販売を行い、地方ガス事業者含め多く使用され、埋設管調査業務の効率化・精度向上に寄与している。

ガス管調査時に道路上へ設置した、かんたんアース付き収納ケース
ガス管調査時の使用状態 収納ケースを道路面に置くだけで、アースを確保

KEY TECHNOLOGY

打ち込まず、置くだけのアース。

導電性繊維からなる不織布シートを収納ケースの裏面に縫い付け、設置の確実性と携帯性を確保。道路に置くだけで、打設アース以上のアース効果が得られます。

01PLACE AND USE

アース棒を打設せず、道路面に置くだけで使用可能

02CONDUCTIVE SHEET

シート全面で電流を集め、高いアース効果を確保

03CASE INTEGRATION

収納ケースとの一体化で携帯性と設置の確実性を向上

BACKGROUND

開発概略

パイプロケーターによるガス管の位置調査ではアース棒を打設するが、打設に労力を要するうえに打設可能な場所も限られる。また、土中の電流がアース棒の1点に集中することで誤検知や位置誤差が発生する課題もあった。

そこで、シート全面に電流が流れる導電性繊維の不織布構造に着目し、道路に置くだけで打設アースと同等以上のアース効果が得られると共に、耐摩耗性と耐久性に優れた「かんたんアース」を開発した。

PURPOSE

開発の
動機・目的

ガス管の位置調査には電磁誘導式パイプロケーターが広く使われている。これは配管に微弱電流を流し、その発生磁界の強度から位置と深さが推定できる方法で、ガス管への接続方法で「1点法」、「2点法」がある。

2点法は、お客様宅2件のガス管に送信器を接続するため、磁界の減衰が少なく正確な調査が可能である。

一方、1点法は不在宅などで2件のお客様宅に接続できない場合、1件のお客様宅のガス管に接続し、もう一方を道路面にアース棒を打設することによって調査を可能とし、最もよく使用されている方法である。ただし、1点法では、現場でアース棒を設置したい場所が新舗装であったり、舗装境界や植樹帯が無いなど、アースが打設できないことがあった。また打設できた場合においてもガス管から離れた場所となることで他埋設管との識別が困難になることや、打設アース位置に電流が集中するため周辺に大きな磁界が発生し、調査したガス管の位置が大きくずれることがあった。

そこで、場所を選ばず簡単にアースが設置できる商品の開発に着手し、置くだけで打設アースと同等以上の効果がある「かんたんアース」を開発した。

DEVELOPMENT

開発の内容

導電性繊維の不織布構造

打設アースの代替方法として地上に銅等の金属板を置く方法が容易に考えられるが、実験結果では十分なアース効果が得られなかった。これは金属板に交流電流を流した場合、周波数が高くなると電流が金属板の外周にしか流れず、面積ほどの効果は得られないためである。

一方、銅板と同じ面積の導電性繊維の不織布シートは、全面で電流を集められるため打設アース以上の効果があることが確認された。さらに、導電性繊維を銀メッキすることでの耐水性・耐摩耗性を高められることも確認できた。

収納ケースの裏面に縫い付けられた、かんたんアースの導電性シート
かんたんアース パイプロケーター収納ケースの裏面に導電性シートを一体化
送信機、受信機、アース位置を示した代替アース比較実験配管図
代替アース比較実験配管 同一条件でアース方法ごとの受信感度を比較

受信感度比較

打設アースの感度を100として換算
アース方法 周波数(kHz)
83 27 8
打設アース 100 100 100
銅板 67 46 52
導電性シート 120 120 92