2026 JGA TECHNOLOGY AWARD

ガス配管現場の脱炭素化と作業環境改善に資する「現場特化型ポータブル蓄電池(剛電)」の開発と販売

東邦ガスネットワーク株式会社、東邦ガステクノ株式会社

排気・騒音ゼロと安定電力を両立する、現場特化型ポータブル蓄電池。

ガス配管現場の脱炭素化と作業環境改善を目的に、ガス工事特有の過酷な環境と引火リスクに対応したポータブル蓄電池「剛電」を開発。高品質な電力を安定供給し、EF継手融着などの施工品質と安全性を支える。

剛電の6つの現場特化ポイント
6つの現場特化ポイントガス配管現場に合わせた専用設計

KEY TECHNOLOGY

ガス配管現場に必要な安全性・耐環境性・電源品質を一台に。

ブラシレスファン、抜け止めコンセント、アース端子、防湿・防錆コーティング、防塵フィルターを採用。内蔵バッテリーから低変動のAC100Vを直接出力する。

01FIELD DESIGN

過酷な屋外環境へ対応

02STABLE POWER

精密なEF融着へ安定電力

03PROVEN FIT

主要電動機器との適合性を検証

BACKGROUND

開発概略

脱炭素化と騒音・排気ゼロの環境改善を実現する現場特化型ポータブル蓄電池を開発・販売した。防塵・防湿基板や火花が出ないファン等、ガス工事特有の過酷・引火リスク環境に特化した設計が特徴。EF継手融着等に不可欠な高品質電力を安定供給し、施工品質と安全性を向上。ガス関連等へ累計142台の導入実績を有し、業界のカーボンニュートラル推進と「電源の適材適所」による作業環境改善に大きく寄与する。

PURPOSE

開発の
動機・目的

ガス導管工事におけるEF継手融着や鋼管ねじ切り等の作業では、施工品質確保のため高品質で安定した電力供給が不可欠である。近年、品質基準の高度化に加え、カーボンニュートラルや労働環境改善への要請が高まる中、従来の電源を補完し、静粛性や安全性、環境性に優れた新たな電源の選択肢が求められている。

これらのニーズに対応するため、実機検証と現場実証に基づき、ガス工事特有の過酷な環境に最適化した「現場特化型ポータブル蓄電池」を開発した。

販売実績78台・26社2026年6月現在

DEVELOPMENT

開発の内容

01現場特化の機能と設計

ガス配管現場特有の過酷な環境や安全基準に対応するため、以下の専用設計を施した。

  • 安全性の追求(着火源リスクの低減):可燃性ガスが存在しうる環境下を考慮し、スパーク(火花)を発生させないブラシレスファンを採用し長寿命化も実現。また、振動等によるプラグ脱落を防ぐ抜け止めコンセントやアース端子を装備し、供給信頼性と感電防止を両立させた。
  • 耐環境性能の向上:内部基板への防湿・防錆コーティングおよび吸気口への防塵フィルターを装備。埃、湿度、塩害等の過酷な屋外環境における異物混入や腐食を抑止し、故障リスクを大幅に低減した。
剛電の外観、防塵フィルター、内部フィルター
剛電の外観と耐環境設計抜け止めコンセント、アース端子、防塵フィルター

02作業品質から見た電源の安定性

高品質電力による施工品質の確保:内蔵バッテリーから直接AC100Vを出力する構成により、電圧変動の極めて少ない電力を供給する。精密な制御を要するEF継手融着において機器本来の性能を最大限に引き出し、電力不安に起因する融着不良リスクを低減することで、配管工事全体の品質向上を実現した。

剛電からEFコントローラへのAC100V電源供給構成
発電機の代替電源としての使用構成剛電からEFコントローラへAC100Vを供給

03主要電動機器との適合性検証

広範囲な実証試験による信頼性確保:ガス工事で用いる多種多様な電動機器との適合性を検証。特に、重要なEFコントローラについては、EF継手30A~300Aの広範囲で通電試験を実施した。オシロスコープを用いた波形評価により、起動時の突入電流による電圧降下や保護回路の誤作動がないことを確認し、現場での確実な稼働を実証済みである。

剛電を用いたEF融着通電試験と電圧・電流波形
EF融着時の適合性検証通電試験と融着開始時の電圧・電流波形

主要な仕様

電池種類 リン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)電池
熱暴走のリスクが極めて低い
電池容量 1,536 Wh
定格出力 AC100 V/2,200 W(合計)
瞬間最大出力 4,400 W(44 A)
重量 約18.5 kg(梱包を除く)
周波数 50Hz/60Hzの切り替えに対応